お彼岸

煩悩に満ちあふれる私たちが生きているこの世界を「此岸(しがん)」と呼び、
向こう岸(煩悩のない仏さまの世界・極楽浄土)を彼岸と言います。

お彼岸は、春のお彼岸と秋のお彼岸の年2回あります。
2021年の春の彼岸入りは2021年3月17日(水曜日)、
秋の彼岸入りは2021年9月20日(月曜日)となっています。

なぜこの日にお彼岸が行われるかというと、
昔の人々は日が昇る東から命が生まれ、
亡くなると日が沈む西の方へ旅立つとし、
その西の方に極楽浄土がある特別な日と考えました。

そして
昼(生)と夜(死)の時間の長さが逆転する日である
   →浄土が最も近づく日

昼(生)と夜(死)の長さが等しくなる時期
   →思想も行動も左右に偏ってはいけないとする、
    仏様の「中道(ちゅうどう)」の教えに通じる
これらの意味もあり、この日に極楽浄土に向かって拝むと
功徳があると信じられており、お彼岸にお墓参りにいく習慣ができたようです。

お彼岸は先祖に手を合わせて感謝する機会だけでなく、
人生において大切な6つのこと「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を
実践できているかどうか見つめ直す期間でもあります。

六波羅蜜とはこの世に生かされたまま仏の境涯に到るために行う修行のことを言います。
具体的には、6つの徳目「布施、持戒、精進、忍辱、禅定、智慧」です。
1.布施→【親切】見返りを求めず、世の為人の為に尽くすこと。
2.持戒→【言行一致】戒律を守ること
3.精進→【努力】小さなことに惑わされる事なく、誠心誠意進み続けること
4.忍辱→【忍耐】常に寛容で怒らないこと。どんな辱めを受けても耐え忍ぶこと
5.禅定→【反省】いつも自分自身を冷静に見つめ心を落ち着かせ、精神を安定させること
6.智慧→【修養】正しい判断力を持ち、迷いを断ち、真理を悟ること

いかがでしたか?
ohaka_souji
お彼岸は特に何をすべきか決まっているわけではありませんが、
彼岸入りの日には、まずお仏壇や仏具を磨きなおし、お墓を綺麗に掃除し、
家族みんなでご先祖様の事を考える時間を設けましょう。