コラム「報恩講」

日ごとに寒さが身にしみる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日は、「報恩講」についてご説明していきたいと思います。

報恩講(ほうおんこう)とは、
浄土真宗の門徒さんが1年間で最も大切にする仏事です。

地域によっては「ほんこさん」、
「おとりこし」と呼ばれていることもあります。
報恩講の起源は、親鸞証人33回忌の永仁2(1294)年に
覚如上人(かくのしょうにん)(本願寺第3代宗)が
「報恩講私記」を著わしたことによるとされています。

報恩講は浄土真宗の西と東で日程が異なります。

親鸞聖人のご命日は、旧暦の11月28日と言われています。

しかし、日本の暦は明治時代に旧暦から新暦に変更されました。
その際、旧暦の11月28日は、新暦の1月16日に該当したため、以来、
京都の西本願寺では、1月16日に合わせて一週間(1月9日~1月16日まで)
報恩講が勤められています。

1月16日が親鸞聖人の祥月命日(しょうつきめいにち)ですので、
その意味で「御正忌(ごしょうき)報恩講」とも呼ばれています。
因みに、真宗大谷派のご本山である京都の東本願寺では、
旧暦に合わせて11月21日~28日に行われます。

この行事の目的は、浄土真宗をお開きくださった親鸞聖人さまの遺徳をしのび、
90年の生涯をかけてお示しくださった仏法を聞いて語り合い、
生きていくなかで受けてきたたくさんの「恩」に「報いる」ことに
思いを馳せる大切な尊いご縁となる法要です。
つまり、親鸞聖人に感謝をする行事なのです。

浄土真宗の多くのお寺が毎年勤めており、浄土真宗各派のご本山、
そして全国の浄土真宗寺院で行われます。各地域のお寺さんでの報恩講は、
本山の報恩講が行われるよりも先に行われるのが一般的です。

この報恩講の時のお荘厳は、各寺や各家庭においても丁寧に行われます。
お寺や家庭によっては、法要が終わった後、
精進料理のお斎(とき)がふるまわれるところもあるようです。
合掌1204
報恩講の時期になると、大勢の方がお寺を訪れます。
誰でも参加することが出来ますので、親鸞聖人に感謝するとともに
一度自分自身を振り返るきっかけにしてはいかがでしょうか?